予備試験論文 途中答案を回避するために
以前の記事で、途中答案となってしまう原因を書きました。
インプットとアウトプットの双方を改善する時間があるなら何の問題もありません。しかし、時間の少ない社会人受験生などにはそれは不可能です。
では、試験が迫ってきた時期に、インプットとアウトプットのどちらを重視すべきでしょうか。
結論から言うと、個人的にはアウトプットを重視すべきと思います。どんなにすばらしい知識と理解があっても、それを時間内に答案に書けなければ意味がないからです。自分の持っているものを答案用紙上に吐き出すアウトプットの練習が直前期の仕上げの勉強にふさわしいと思います。
あなた、インプットばかりやってない?
社会人受験生はインプットに多くの時間を割いていると思います。私もそうでした。時間の少ない社会人は短答前は短答の勉強に全振りするしかなく、論文の勉強ができません。論文に必要な論証の見直しや暗記、演習書の復習などは短答終了後論文までの短い期間に猛スピードで行うしかない。
そうすると、どうしてもアウトプットの時間がとれない。社会人受験生の毎日の勉強時間は2~3時間くらいが限界でしょう。答練を1問やったら1日それで終わってしまいます。これは厳しい。それにフルで答案書くのは正直やりたくない。問題を読むのに気力がいるし、知らない論点とかあると書く気がなくなるし、なにより答案構成考えて最後まで書くのは仕事で疲れた体にはしんどすぎる。
そうすると、こんな言葉に頼ってしまいます。
- 「論文書いたのは本番が初めてだけど受かった」
- 「過去問や演習書は答案構成までやれば十分」
- 「予備校答練は典型論点ばかりで質が低いから不要」
以前にも書いたとおり、人間は自分に都合の良い話を信じてしまうものです。上記言葉は真実でしょう。しかし、それはごく一部の優秀な人たちにとっての真実なのです。
そうして、アウトプットといっても答案構成するだけでほとんど済ませてしまい、結局、本番で書けずに惨敗するのです。私がそうでした。
アウトプットに無理矢理時間を割く
しかし、私の実感では、時間内に答案を完成させる技術は答案を書く以外では培えない。答案構成をがんばっても、論点探しの技術や記述の流れなどは習得できますが、時間内に実際に答案を完成させる技術までには及ばない。優秀答案を読み込んで検討しても、脳内に優秀なサンプルは増えますが自分で書いてみないことにはそれをマネすることはできない。
たしかに、答案構成で流れがつかめればつなぎの文章は現場で編み出せる人、優秀答案読み込むだけでそのエッセンスをマネて書ける文才のある人はいるでしょう。しかし、我々はそんな極端な例外に頼ってはいけない。
やはり、時間を計って実際に書いてみる、そして書けなくて欠点を直す、というアウトプットの練習が絶対に必要なのです。
それに、実際に書いてみることにより、自分のインプットが不正確であることに気付くことも多いのです。論証集の見逃していた所の理解が深まったり、勘違いしていた所が改善できたり、つまりアウトプットはインプットの補完にもなるのです。
では、その時間配分は?
ここでは、つらいけどインプット不足になることには目をつぶって、勉強時間の半分~3分の1はアウトプットに無理矢理あてることをお勧めします。
それで私は、前回の記事で挙げたようなマイナス要素をある程度克服して、途中答案なしで論文試験を終了することが、初めてできました。
それに、インプット不足とはいっても、短答を合格しているのですから必要量を絶対的に下回るほどの知識不足ということもないでしょう。
この記事を読んでいるのが論文直前の方
まあ、そうですよね・・・(10科目=法律7科目+実務2科目+教養)
次回以降、さらに直前期のアウトプットの厳選を記事にしていきたいと思います。